底冷え

岩 粗削り

寝?

起きている間は早く寝たいと思っているのに、ベッドに入って寝る準備が整うと途端に眠気が退く。日中に起こらないやる気さえ出てくる。

しかし寝ようとする方針でいるのでベッドでじっとしていると頭の中で色々な考えが練られていく。食のこと、読書のこと、バイトのこと、過去のこと…など気付けば毎日同じことを考えていることある。特に過去のことについては考える優先度が高い。過去は毎日のように整理しなければ気が済まないようだ。これはこの場でパッと思いついたものだが、その理由は今の自分がここにいる事実を納得したいためかと思う。

今日ここに書こうと思った内容も先程までまさに考えていた過去についてだ。詳しく言うと生まれてから3歳ほどの間について。それを書いていく。

その期間は全く眠らない子供だったらしい。一日中泣いていて、いつ寝ていたのか分からないほどだったらしい。物心がつき始めた頃は悪夢が酷くて眠れない日が多かった。眠れず近くの大人に助けを求めていたことも少なくなく、それを覚えている。ちなみにその夢の内容は「布団が重い」、「質量が大きすぎる球や立方体」といった抽象的なものや、映画の「マスク」の緑色の顔などだった。

「質量が大きすぎる球や立方体」のイメージは今でも再現でき、その怖さも少し理解できるが、当時の怖がり方は尋常でなかったように思う。

 

自分は出産予定日から一週間ほど(もしくは一ヶ月?)遅れて生まれたらしい。また寝る暇もない程の泣き方があったらしい。これらから自分が立てた推測は「もしかして自分は生まれたくなかったのではないか?」というものだ。冷静に考えれば珍しくもない二つの例だが、今の自分が持っている思考体系からだろうか、そう思えてしまい、且つ一蹴できない。

 

こういった答えの出ないことを眠れない夜に考えてしまうのだ。自分が何なのかを考え続けることは強力なナルシズムの一つの表れだと思う。何か特別な要素を探し続けているのだ。先程の推測の例なんてひどい驕りやこじつけだ。もし自分の全てが明らかになる技術があったとしてもきっと変わらない。意味の曖昧さを痛感する。